葉月さん の日記
| 05月 25日 17:54 | 夢に沈む・4話 |
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仕事だからと割り切ったものの面倒事など喜んで受けたくない。 やる気の無い足取りでだらだらと地下へと続く階段を降りていた時だった。 『ァァァァァ!!』 地下から悲鳴に近い叫び声が聞こえてきて若干驚いた。 だがすぐにどうせ中佐の捕虜への“躾”だと思い至り、止めていた歩みを進める。 無駄に厳重な鉄の扉を開けて中に入ろうとして、漂って来た血の臭いに思わず顔を歪めた。 『…おい。やりすぎじゃねぇのか?』 『これはこれは少将殿。ただの躾ですのでね』 ふふんと鼻を鳴らして冷たい床に突っ伏す“躾られた”捕虜を見下す中佐の、その動作が鬱陶しい。 舌打ちしたいのを堪えて倒れた捕虜に近付けば、ひぃっと残りの捕虜共が怯えた。 怯えられるのなんか慣れ過ぎて腹立ちもしねぇ。 『おい、死んだか?』 これはあんまりな聞き方だったか? …どうでも良いけどな。 屈み込んで捕虜を見ると、どうやら顔に傷を負ったらしい。 顔付近に血溜りが出来ていた。 全身から脂汗を流して肩で大きく息をしている。 随分と出血が酷い。 ったく…あの中佐にも困ったもんだ。 『生きてるか?』 尋ねてから、はたと気付く。 この国の言葉で話し掛けたところで通じないか。 「あー、と」 『………ふざけ、んな…』 捕虜の奴らの国の言葉で再度尋ねようとしたが、それは弱々しい声に阻まれた。 『…お前らは、捕虜の扱いも知らないのか…』 ギリ、と歯を食い縛りながら視線だけをこちらに向けて捕虜が睨んできた。 だが、その顔の右側半分は血で覆われている。 こりゃ目ん玉潰れたかもな。 どうでも良い事を思いながら、俺の手は無意識にこの生意気そうな捕虜に向かって伸ばされた。 『少将…?何を…』 中佐も、側に控えていた兵士も目を丸くする。 それを綺麗に無視して怪我をした捕虜を肩に担ぎ上げた。 絶句するそいつ等を一瞥する。 『こいつは手当てする。そっちの捕虜は牢に入れとけ。手荒な真似はすんなよ』 『少将!何を言われるのです!そいつは敵…ッ』 『…何か言ったか?』 『…いえ…少将の仰せのままに致しましょう』 固まって動かない兵の代わりに中佐が答える。 ずり下がって来た捕虜を担ぎ直し、後は後ろを振り返らずに来た道を戻った。 きっと不満そうな顔してんだろうが知ったこっちゃねぇ。 …こいつは、中々面白い奴かも知れない。 ・・・ 文字数限界(-_-;) やっと出会いました。 |
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